バックパッカーといえば、一般には海外での旅をイメージしますが、実は国内でのバックパッカー旅もおすすめです。 多くの人がバックパッカー旅に「非日常体験」「自分と向き合う時間(自分探し)」「自由に生きることの実感」などを求めているでしょう。
こうした体験は、日本よりも異文化でリスク要素の多い海外だからこそできることだと思われがちです。しかし、実は日本国内でも普段生活している場所を少し離れ、目線を変えるだけで非日常や異文化を味わえます。
日本を知っているつもりの我々日本人ですら、カルチャーショックを受けることは珍しくありません。
また、日本の勝手がわかっているだけに旅の自由度は高く、働きながら旅をする、海外ではハードルが高いとされることができるも国内バックパッカーの魅力です。
今回の記事では、国内バックパッカーに興味を持っている人に向けて
- 国内バックパッカーの魅力
- おすすめの旅先
- 旅を面白くするコツ
- 持ち物と費用
- 旅しながら働く方法
を解説しています。
国内バックパッカーならではの魅力
実際に筆者が国内をバックパッカーしてみて感じた魅力は、以下の3点です。
- 比較的治安が良好
(女性一人でも気軽に旅できる) - 日本語での情報量が多く、自由度の高い旅を設計できる
- 知らなかった日本の一面を見られる
比較的治安が良好
国内紛争やテロ活動の可能性が少ないのはもちろん、夜に女性一人で歓楽街を歩いていても危険を感じない国は日本くらいではないでしょうか。
また、海外では危険要素とされている野良犬が日本にはほぼいません。
海外ではタクシー運転手や観光業に従事している人すら無闇に関わりを持つのは危険(更に言えば話しかけてくる人全員が危険)ですが、日本国内を旅するにおいてそこまでのリスクは存在しません。
高校生ですら自転車で日本一周しても無事に帰って来れるほど治安の良い国なのです。こうした安心感があるのは国内バックパッカーの魅力と言えます。
日本語での情報量が多い。自由度の高い旅を設計できる
海外旅でネックとなるのは情報収集の難しさ。
ネットが発達したとは言え、まだまだ海外の情報を集めるのは日本国内の情報を集めるほど容易ではありません。列車の予約方法、B級スポットへのアクセス方法、ローカルフードの名前や材料、タクシー料金の相場。こうした情報は在日本人が少ない国や地域であればあるほど情報量が少ないもの。
一方、日本国内であれば調べればなんでも出てきます。逆に言えばハードルが低いですが、自由度の高い旅を設計できます。あえて路線バスで移動してみたり、宿を探す時の立地も日本なら広範囲に絞れたり、効率的な節約方法を活かした旅を設計することも可能です。
知らなかった日本の一面を発見できる
筆者が国内バックパッカーにおいて最も魅力に感じているのが、「知らなかった日本の一面」を発見できること。日本に住んでいる日本人であれば、少なからず「日本とはこういうもの」といった固定観念を持っているものでしょう。
しかし、日本といえど、地域が変われば固定観念を覆すほどの新しい発見に繋がります。
例えば日本にもスラム街が存在することを知っている日本人は多くないでしょう。また、日本でありながら公用語が英語になりつつある地域が存在することはご存知でしょうか。
また、観光地化されていない天然の川温泉や、移民が建設した巨大な宗教施設もあります。
地域による独自の文化や風習の違いにも驚かされます。例えば長野県では現在でも昆虫食の文化があり、イナゴの佃煮が日常的に食されています(意外と美味しい)。
また、日本の居心地の良さのあまり、安宿に「沈没(バックパッカー用語で、ひとつの場所に滞在し続けること)」する外国人の存在に驚くこともあります。
「単一民族国家」と言われる日本ですが、実はあまり可視化されていないだけで多様性が存在しています。こうした日本各地の「リアルな姿」を肌で感じられるのも国内バックパッカーの魅力と言えるでしょう。
国内で非日常を味わえる穴場の旅先
せっかく国内でバックパッカーをするのであれば、
- 短期旅行では行かない場所
- 今後の人生で二度と行く機会がないであろう場所
- 海外のバックパッカーが多い場所
などの非日常を味わえる場所に絞ってみるとより新しい発見ができるかもしれません。
具体的な例として以下の3ヶ所は非常におすすめです。
- 大阪西成・あいりん地区
- 北海道・ニセコ
- 東京・新宿区の新大久保
日本のスラム「大阪西成のあいりん地区」
大阪西成のあいりん地区は、言わずと知れた日本有数のドヤ街。路上生活者、日雇い労働者が多く、日本で一番治安が悪い場所をイメージする人も多いでしょう。
一昔前までは近寄りがたいイメージがあり、旅行で訪れる場所ではありませんでした。確かに現在でも比較的治安が悪い地域に違いはありませんが、ここ数年で安宿を求める外国人バックパッカーが急増。
ボロ宿がリニューアルされ綺麗になったり外国人狙いのインスタ映えスポットも出現したことから街並みが変わり、実は少しずつ治安も改善されています。
とは言え、いまだ貧困者や軽犯罪が多いのも事実。こうした「日本では想像できない貧しさ」を外側から見ることで人生についても考えさせられるのは有意義な旅と言えるでしょう。
公用語は英語。日本一グローバルなリゾート「ニセコ」
ニセコと言えば世界的なスキー場のイメージが強いでしょう。ただ、近年ニセコは急速な国際化が進んだことから外国人の移住者が激増。街には外国人が溢れています。
コンビニ、ホテル、飲食店はもちろん、外国人が経営する企業も少なくありません。
レストランやカフェに入れば、店員も顧客も外国人。注文は英語で行うのがニセコの日常風景。日本で唯一、公用語が英語になりつつある場所です。
こうした環境を活かし、もはや海外へは行かずニセコに滞在して英語力をあげる「ニセコ留学」の需要が拡大しているほどです。
リゾート地なので高級ホテルばかり連なるイメージですが、実は民宿や安ゲストハウスが多いのもニセコの魅力。バックパッカーでも気軽に長期滞在できます。
ニセコに来た日本人は口々に「ここは本当に日本?」と驚きの表情を見せます。多くの外国人と交流を持てるのは素晴らしい経験になるでしょう。
国内でバックパッカーをするならマストなスポットです。
日本最大のエスニックタウン「東京・新大久保」
新大久保は東京随一の多国籍に人種が集うエリア。「エスニックタウン」とも言われています。
コリアンタウンのイメージが強いですが、実際にはブラジル人、東南アジア人、アラブ系、インド人なども暮らしています。
外国の人が暮らしているエリアなので、当然多くの外国人向け施設が連なっているのも面白いところ。アフリカ民族衣装の店、中国人用の書店、ベトナム人留学生達が集う飲食店。頭にターバンを巻いたインド人とアフリカ民族衣装を着たアフリカ人が日本語で会話している…なんていう面白い光景を日常的に見られます。
まさに日本の中の異国。日本であって日本じゃない場所。こうした様々な文化が息づく場所も日本のリアルな姿です。
格安ドミトリーや民宿も多く、滞在している外国人と交流を持てるのも面白いです。
旅に「テーマ」を持たせよう
上記のように「日本の中の異国」といった、テーマを持たせると旅はいっそう面白くなります。
他にも例えば「日本の史跡を巡る旅」「秘湯・ローカル温泉を巡る旅」「珍スポットを巡る旅」などなど。
こうしたテーマがないと、ありきたりな場所ばかりに行ってしまい、振り返ってみると「ガイドブックのスタンプラリー」みたいな旅になりがちです。
それもそれで面白いですが、せっかくバックパッカーという自由な身であるなら、「他の人がやってなさそうなことをやってみよう」という目的を持ってみてはいかがでしょうか。
こうした目的を持った旅であれば話題として面白いのはもちろん、例えば就職面接でも普通に旅をしていたと言うよりも関心を持ってもらえます。
国内バックパッカーの持ち物と費用
海外バックパッカーとは異なり、国内バックパッカーは荷物を少なくしやすいのがメリット。ただ、費用については物価の安い国へ行くよりかは高くなります。
持ち物
基本的な持ち物については、海外のバックパッカーとほぼ同じです。
40〜50Lのバックパックをメインバッグにして、サブバッグとしてボディバッグを用意すれば良いでしょう。
日本の場合は海外と異なり歩道がきちんと整備されているので、バックパックではなくスーツケースをメインバッグにしている人もいます。
国内バックパッカーで不要な持ち物
海外とは異なり、国内をバックパッカーをする際に以下のものは不要です。
- 変圧器・変圧プラグ
- パスポートケース
- 国際免許証
- ポケトーク(翻訳機)
いずれもかさばらない持ち物ばかりですが、小さくて管理が面倒でもあります。こうした物を持参しないで済むのは楽です。
また、必要な消耗品などは全てコンビニやスーパーで購入できます。
費用は海外より高い。国内バックパッカーに安さを求めるのは危険?
旅の費用については海外(国にもよりますが)の方が安く済むケースが多いです。
例えば安宿にしても、日本の場合だと民宿やビジネスホテルレベルでも1泊5,000円程度することもあります。
(広さ15平米程度のシェアハウスのようなプチホテル。東南アジアなら1泊1,500円程度ですが、日本の場合は1泊5,000円くらい)
確かに大阪の西成であれば1泊1,000円の宿もありますが、内容は「三畳一間・バストイレ共同」です。1日2日ならともかく、長期滞在には厳しい環境です。個室の格安ゲストハウスでも1泊2,000〜3,000円くらいします。
食費に関しても、例えば東南アジアのタイであればローカルフードは1食約200円で食べられますが、日本ではご存知のとおり牛丼チェーン店でも1杯だいたい400円。倍近くもの値段です。
また、国内間の飛行機代についても日本国内の方が高いです。筆者は先週成田から福岡へLCCを使い移動しましたが、受託手荷物を含めた料金は14,000円でした。これがタイ国内のバンコクからチェンマイであれば、3,000〜5,000円程度で飛べます。
このように、なんだかんだ国内バックパッカーの方が費用は高くつきます。もちろん漫画喫茶に泊まる、カプセルホテルのみを利用すると言った旅であれば、それなりに費用は抑えられるでしょう。
ただ、ストレスが溜まるので、あまりおすすめはしません。国内バックパッカーで安さを求めるのは難しいです。
1ヶ月で日本国内を1周する費用の目安は40万円
上述のとおり、国内バックパッカーは物価の安い国に比べると費用は高くなりがちです。
以下は筆者が30日で日本を1周した時の費用です。
交通費計 | 140,000円 |
---|---|
宿泊費計 | 100,000円 |
食費計 | 100,000円 |
観光費計 | 40,000円 |
その他計 | 20,000円 |
合計 | 400,000円 |
もちろん人によってはもっと安く抑えたり、逆に高くなることもあります。参考程度に考えて頂ければ幸いです。ただ、体感的には節約を心がけても30万円は超えるだろうなという印象です。
国内なら旅をしながら働ける
海外バックパッカーは就労許可証やビザの関係で、旅をしながら働くことはハードルが高いですが、国内バックパッカーであれば、旅をしながら働くことができます。これは大きなメリット。
旅の途中で働くことを視野に入れておけば、初期費用を安くして旅を始められます。
リゾートバイト
旅をしながら働くことの代名詞とも言えるのが「リゾートバイト」です。リゾートバイトとは、全国の観光地やリゾート地にて、住み込みで働くアルバイトです。家賃(寮費)、水光熱費、食費は基本的に無料です。また、交通費も支払われます。
交通費も支払われるため、実質0円で場所から場所へと移動して、しかも生活費も(ほぼ)0円で、さらにお金を貯めることができるのです。
また、リゾートバイトの雇用期間は1ヶ月〜3ヶ月程度の短期期間から選べるので、旅の中継として軽く数ヶ月のバイトを挟み、バイトが終われば旅を再開→再度リゾートバイトをすると言った生活が可能です。
筆者も20代の頃は、北は北海道から南は沖縄まで、全国を転々としながら合計10ヶ所以上でリゾートバイトを経験しました。3ヶ月働けば100万円の貯金も可能です。リゾートバイトをすれば国内をバックパッカーしつつも、海外バックパッカーの費用も貯められます。
まさに旅好きにピッタリのバイトでしょう。 国内バックパッカーを計画している人は、是非リゾートバイトも視野に入れて旅を設計してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
あわせて読みたい!リゾバマガジン
リゾートバイトを始める流れ
-
1
スタッフ登録
これからお仕事選びを始める人、リゾバについてもっと知りたい人は「まずは登録(無料)」ボタンから登録予約をお願いします。
-
2
お仕事相談
ヒューマニックの担当コーディネーターが、勤務エリアや職種、期間、給料など、ご希望にぴったりのリゾートバイト探しをサポートします。
-
3
お仕事決定、出発
勤務先までの交通手段や持っていく荷物の相談など、担当コーディネーターがアドバイスいたします。
-
4
お仕事スタート
勤務期間中も担当コーディネーターがしっかりサポートいたします。お気軽にご相談ください。