バックパッカーをしていると、社会のコントロールから離れ自由な生活を満喫できる一方で、帰国後に社会復帰できるのか。「バックパッカーの末路」という不安がよぎります。
確かに、履歴書にバックパッカーをしていた頃の空白期間があれば、少なからず今後の就職や転職活動において不利に働くでしょう。
ただ、安心してほしいのは、だからと言って社会復帰できないわけではありません。心配不要。未来は決して暗くありません。
実際、筆者は20代中盤から30手前までバックパッカー生活を続けていましたが、何の問題もなく社会復帰しています。もっと言えば、バックパッカー時代の経験を現在の仕事に活かすこともできています。
筆者だけでなく、バックパッカーを経て社会復帰した人は世の中にごまんと存在します。
そういうわけで、個人的にはバックパッカーをしたいと思っている人の背中は大いに押してあげたいです。
人生は1回きり。年を取って「旅に行きたいのに、行けない」ではもう遅いのです。行ける時が行くべき時です。
しかし、そうは言っても下記のような疑問を簡単にはぬぐえないでしょう。
- 本当にバックパッカー後に社会復帰できるの?
- そもそもバックパッカーして得られることはあるの?
そこで本記事では
- バックパッカー達のその後
- バックパッカーを経験して変わったこと(自分探し)
- バックパッカーで得られるスキル
- 空白期間をあけず、社会と関わりながら旅をする方法
について記載しています。
バックパッカー達のその後。意外と心配ない
上述したように、社会復帰できるかどうかは、ハッキリ言って心配ありません。10年も20年も旅をしていた人であれば話は別ですが、多くの人は長くてもバックパッカーをするのは1年くらいでしょう。
では実際にバックパッカー達はどのようなその後を送っているのか。元バックパッカーである筆者や筆者の友人達を例に挙げ紹介します。
大半の人が何事もなかったかのように就職する
多くの人が普通に就職します。中にはゲストハウスのスタッフなど旅に関係する仕事に就く人もいますが、ほとんどの人が旅とは関係ない仕事で普通に社会復帰します。帰国後に仕事が見つからなかったという話は聞いたことありません。
筆者も今までに働いた職場で、コールセンター管理職の人、カフェの店長、ホテルの総支配人などに元バックパッカーがいました。いずれもバックパッカーを経て、普通に現職に就職した方達です。
「履歴書に空白期間があっても普通に就職できるの?」との疑問をお持ちの人もいるでしょう。確かに履歴書に空白期間があるのは決して良いことではありませんが、空白期間中に、ただ放浪していたわけではない「ポジティブに捉えられるエピソード」や「自己投資と捉えてもらえるエピソード」があればアピールに繋がります。
そもそも、履歴書に1年くらいの空白がある人は珍しくないため、就職や転職で「旅をしていた」と伝えても世間話の延長程度に話が盛り上がるケースがほとんどです。
ポジティブに捉えられるエピソードがあると良い
就活や転職活動で「ただ放浪していた」と言ってはイメージが良くないため、海外でボランティアをした、滞在国で英語学校に通い語学力の向上に努めた、などのポジティブにとらえられるエピソードがあると良いですね。 具体的なエピソードを添えれば「行動力がある」「計画性がある」「環境適応力が高い」こともアピールしやすいです。
海外就職する人
意外と知られていませんが、筆者が住む東南アジアのタイ王国で現地採用として働いている人は、元バックパッカーが多いです。
バックパッカーの聖地といえばタイ。そのタイで居心地の良さにハマり、バックパッカー後に移住する人は少なくありません。
(バックパッカーの聖地。タイ・バンコクのカオサン通り)
海外の空気や英語で話すことに慣れると、途端に海外移住を視野に入れられるほど成長するのです。
こうした新しい価値観やバイタリティを身につけられるのはバックパッカーのメリットと言えます。
旅関係の仕事をする人
筆者の場合は、旅関係の仕事を始めました。と言っても、旅をテーマにしたブログ運営です。また、旅関係のライター業務も請け負うようになりました。
筆者のようにバックパッカーの経験を活かして旅関係の仕事に恵まれる人は稀ですが、中にはゲストハウスやAir B&Bを運営して旅の経験を活かしている人もいます。
旅を続けるために期間従業員になった人
中にはバックパッカーにどハマりして、日本で期間従業員や季節工になり、契約期間満了後→海外へ行き資金が尽きたら帰国して再度期間工になるといった生活をしている30代や40代の人もいます。
ただ、こうした生活は不安定で仕事上のスキルも身につきにくいため、個人的にはおすすめできませんが、人生の価値観がひっくり返るほど旅に魅了され旅を続ける選択をする人もいます。
終身雇用も年金も崩れ、正社員でも安定しないと言われる今の時代においては、珍しい存在ではなくなってきているのかもしれません。
もちろんリスクは0ではない
バックパッカーの末路が悲惨だとは決して思いませんが、リスクが0かと言われればそうでもありません。
直接的に旅の空白期間があったことが原因かはわかりませんが、筆者はバックパッカーを経て帰国後に受けたアルバイトの面接で2回落とされたことがあります。
また、面接官の中には「また仕事を辞めて旅に出ちゃうんじゃないの?」と思う人もいたでしょう。
中には仕事を辞め旅に出て、帰国後に再就職したは良いものの、仕事のランクが下がったという人もいます。
ただ、こうしたリスクを恐れ、旅を断念して迷いが残ったたまま年を取るのはいかがなものでしょうか。
確かにバックパッカーを経ての帰国後は紆余曲折様々なことがありますが、「バックパッカーをして後悔した」という人には今まで一度も出会ったことがありません。バックパッカーをするのであれば「これはこれでOK」という楽観的な気持ちが必要です。
バックパッカーで自分探しできるの?
「自分探し」と言うと笑われる風潮がありますが、筆者は自分探しを馬鹿らしいとは思いません。バックパッカーとは、単に異国の風景を見るだけでなく、自分と向き合う貴重な時間でもあるからです。
「海外に出ただけで自分が見つかるほど人間は単純じゃない」という意見もごもっとも。しかし、価値観は絶対に変わります。新しい自分を構築するヒントを得られるのは確かです。
海外に身を置くと、今まで引き継いできた「自分」を消せる
海外のような知り合いが誰もいない場所では、会う人会う人が偏見を持たずに接してくれるため、心理的に自分という人間がリセットされた状態になれます。リセットされ偏見のない状態で人と接することで「人と比べる」ことをやめ、肩書きや地位を切り離した自分本来の性格と向き合えるようになります。
また、貧困家庭や貧富の差、価値観の異なる人々の生活を垣間見ることが、「自分にとって」納得できる生き方や幸せを考えるキッカケを与えてくれます。
(途上国では小さな子供が学校へ行けず、物乞いや缶・ペットボトル集めをしている姿を頻繁に見かける)
よく「旅は自分を見つめ直すきっかけ」と言いますが、まさにそのとおりで、新しい自分の価値観や性格を再発見する手掛かりになるのです。
筆者もバックパッカー旅を経たことで、「自分の想いを発信しよう」という気持ちが芽生えブログやライター業を始めました。上述したバックパッカー後に海外就職した人たちも、少なからず新しい価値観が芽生え、新しい人生を歩み始めた人達と言えるでしょう。
明確に「自分がやりたいこと」「なりたいもの」を旅の最中に発見することは難しいかもしれませんが、それでもヒントは必ず得られます。
バックパッカー旅で得た価値観の変化は、帰国後にポジティブな影響を与えてくれるでしょう。
バックパッカーで得られるスキル。語学力は向上するの?
せっかく海外を旅するなら内面的な変化だけではなく、目に見えるスキルも得たいと思われるでしょう。
しかし、残念ながらバックパッカーをすることで得られる特別なスキルは少ないです。英単語を少し覚えるくらいのことはあるでしょうが、英語力の向上と言えるほどではありません。
やはり語学を習得するには地道な努力が必要です。旅しながら外国人と世間話をするだけで英語力が上がるほど語学は甘くない、英語力を向上させたいなら素直に留学すべきでしょう。
ただし、以下のスキルや知識は向上します。
- 英会話の瞬発力
- 問題解決能力
- 旅にテーマを持たせれば、知見が広がる
英会話の瞬発力が上がる
英語の語彙力は増えませんが、すでに習得している語彙内での英会話瞬発力は格段にあがります。
旅行会話や自己紹介の会話、買い物英会話、書類申請時に必要な英会話で使うフレーズは旅に行く前に日本で勉強し習得するでしょう。
ただ、こうした英会話は普段日本では使わないため、最初は頭で考えながら話すことになります。しかし、旅の期間が長くなるにつれ何度も何度も実践で使用するため、いずれ頭で考えずとも話せるようになります。体が覚えるという感覚です。
また、ある程度フレーズを習得したら、応用で単語や動詞を入れ替えることで、さらに話せる範囲が広がります。
問題解決能力が高まる
バックパッカー中は大小様々な問題に直面します。小さいものだと、チェックアウト時にスタッフがデポジットを返してくれない(そもそも受け取ってないとか言い張る)、大きな問題だと荷物の盗難被害やビザの申請方法がわからない…などなど。
問題に直面した時、アドバイスをくれる人はいても、解決するのは自分です。しかもここは日本とは勝手が異なる海外。自分でどうにかして調べて解決するしかありません。
海外でこうした問題に直面し解決した経験があると、日本でトラブルに直面しても楽に解決できるようになります。
旅にテーマを持たせれば、知見が広がる
個人的に挑戦してみほしいのが、旅に「テーマ」を持たせること。例えば筆者がタイをバックパッカーしていた時は、昔の日本人がタイに残した爪痕を巡ることをテーマにして、以下のような場所を訪れました。
- アユタヤにある日本人町跡
(16世紀初め、御朱印船貿易に携わった日本人たちが築いた村の跡) - カンチャナブリーの戦場にかける橋
(第二次世界大戦時、旧日本軍が敷設した線路) - メーホンソンのタイ日友好記念館
(第二次世界大戦時、旧日本軍が駐留し、経済を活性化させたことへの感謝の記念館)
学校の日本の戦争史授業では、西洋史や中国史がフォーカスされることが多いため、戦時中に東南アジアで日本がどのようなことをしてきたのかは全く知りませんでした。
そこで上記のようにテーマを掲げ日本にゆかりのある場所を巡り、知見を広めました。こうして旅にテーマを持たせると、いっそう旅が価値あるものにできます。
行ける時が行くべき時
バックパッカーのその後を考えると、人生が変わったり知見が広がったり、良くも悪くも様々な変化が起こりそうだと思うでしょう。
ただ、何が起こるかは人それぞれ。将来のことをどれだけ考えても誰にもわかるはずはなく、あなた自身も、予想とは裏腹の展開に遭遇するかもしれません。
結局のところ、旅に必要なのは「覚悟」だけです。 「このまま人生を使い切ってしまっていいのか?」「生きていることを実感したい」といった、今の生活に不満や悩みを持っているのであれば、尻込みせずに踏み出してみてはいかがでょうか。
先述しましたが、旅のタイミングとは「行ける時が、行くべき時」なのです。
空白期間を空けず、社会と関わりながら旅をすることも可能
いかがでしたか?バックパッカーの将来は「末路」なんて言葉を使うほど悲惨なものではなく、むしろポジティブな面が多いことがおわかり頂けたのではないでしょうか。
旅に出ることで新しい価値観を得て自分を探すことは、有意義な行いです。
ただ、そうは言っても、じゃあ気軽に海外へ行こう!とは中々決断できないでしょう。やはり履歴書に空白期間を作ってしまうことに躊躇いは覚えるもの。海外から帰ってきていきなり再就職できるのか?すぐに日本社会に馴染めるのか?という不安はぬぐいきれないでしょう。
であれば、日本で空白期間を作らずに働きながら旅をするというのも一つの手段としておすすめです。
リゾートバイトで全国を旅してみては?
リゾートバイトは、北は北海道から南は沖縄まで、全国の行楽地や観光地にて住み込みで働くアルバイトです。リゾートバイトの大きなメリットは、生活費(寮費、水光熱費、食費)をほぼ0円に抑えつつ、旅するように全国各地を転々としながら働けること。
仕事の募集は日本国内に限られますので、海外バックパッカー旅ほどの衝撃は得られないかもしれません。しかし、国内の旅でも人生観が変わるほどの新しい発見に出会えます。
また、リゾートバイトの雇用期間は短期期間(1ヶ月〜3ヶ月)であるため、次から次へと新天地へと旅立てます。自分をリセットする機会は沢山あります。
当然、歴としたバイトであるため、バックパッカー旅とは異なり履歴書に空白期間はできません。それどころか、リゾートバイトの経験があれば、バイタリティあふれる人として興味を持ってもらえるでしょう。
交通費ももらえるので、場所から場所への移動も無料です。
- バックパッカーほど社会から離れず旅ができて
- しかも生活費が(ほぼ)無料で
- お金も稼げる
という、旅好きにとっては一石三鳥なアルバイト。メリットばかりです。
旅に出たい、しかし不安がある…という人は、まずはリゾートバイトでお金を貯めながら、日本を旅して新しい自分を発見するのもおすすめです。
是非、検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
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