バックパッカーが泊まるホテルは、料金が1泊1,000円〜高くても2,000円くらいの安宿(ゲストハウスやドミトリー)が主ですが、泊まったことない人からすれば、設備面や清潔感において一般的なホテルとの違いが気になるでしょう。
筆者も初めてのバックパッカー旅では安宿に対していいイメージを持っておらず(特に清潔感において)、実際に泊まるまで不安がありました。
ただ、「安宿」とはいうものの、近年は想像より綺麗な施設が多く、日本人でも抵抗なく順応できている人が大半です。しかし、中には安宿を受け付けない人がいるのも確かです。
宿によっては、一般的なホテルにはない安宿ならではのルールもあります。
そこで本記事では、バックパッカーがどんなホテルに泊まっているのか気になっている人に向け
- バックパッカーが泊まるホテル料金の相場
- ゲストハウス、ドミトリーの様子
- 安宿ならではのルール
- 予約の方法
をバックパッカー歴5年以上の筆者が、実際に宿泊した宿の写真を添えて解説します。
バックパッカーが泊まるホテル「ゲストハウス」「ドミトリー」とは?
長期で海外を渡り歩くバックパッカーは少しでも旅の費用を節安するために、ホテルではなく「ゲストハウス」や「ドミトリー」に宿泊します。
「ゲストハウス」「ドミトリー」とは、従来のホテルとは異なりベッドメイキングやアメニティといったサービスを省くかわりに料金が安い宿泊施設を指します。
- ゲストハウス
個室の宿泊施設。宿によっては家族が経営していたり、共同玄関や共有スペースがある。個室の広さは15〜20平米くらい - ドミトリー
相部屋の宿泊施設。大抵は2段ベッドが数台置かれている。トイレ、シャワールーム、キッチン、冷蔵庫なども共有である場合が多い。ゲストハウスよりも安い
他の宿泊者と交流を持ちやすい
ゲストハウス、ドミトリーのどちらにも共通しているのは他の宿泊者と交流を持ちやすいこと。宿内の共有スペースで他宿泊者と話が盛り上がり、仲良くなって一緒に観光へ出ることはよくあります。
ドミトリーの共有スペース。パソコン作業をしていたりご飯を食べていると、他の旅行者から話しかけられて仲良くなることがあります。
日本人が多い「日本人宿」では、上写真のようなツアー参加募集掲示板があることも。
海外の現地ツアーは、参加者が多ければ多いほど1人頭の金額が安くなるシステムです。
日本とは異なり参加者1人に対しての金額を設定しておらず、利用する車とドライバーなどを含めたチャーター料金1台に対しての金額を設定しています。
例えばツアー料金が100ドルの場合、1人で参加するなら100ドル全てを負担しますが、仲間が10人集まれば1人頭の金額は10ドルでいいということ。
安くツアーに参加するために他宿泊者と交流を持ち、一緒にこうしたツアーに参加して仲良くなれるのはホテルにはない安宿ならではのメリットです。
安宿周辺の環境は比較的治安が良い
(世界一有名な安宿街。タイ・バンコクの「カオサン通り」)
多くの国には安宿が連なる安宿街が存在します。安宿街には現地ツアー会社、両替所、飲食店、コンビニ、ランドリーなどの長期滞在に必要な店舗も揃っていて賑やか。
人が多いだけに、よからぬ誘惑も多いのは確かですが、他人との距離感をしっかり線引きできる人であれば治安は良好に感じられます。
ゲストハウス、ドミトリー宿泊料金の相場は1,000〜2,000円
国によって安宿の料金相場は異なりますが、多くのバックパッカーが目指す東南アジアやインドを例に挙げると、1泊の平均宿泊料金は1,000円〜2,000円です。
(1泊1,500円のゲストハウスのロビー。安宿とは思えないほど綺麗)
もちろん1,000円以下や2,000円以上の宿もありますが、1,000円を切るほどの安宿は清潔感やセキュリティ面に欠けることが多く、虫が出るのは当たり前、盗難事件が起こることも珍しくありません。1,000円以下の宿を泊まり歩く人は少ないでしょう。
2,000円以上になると日本のプチホテルやビジネスホテル並みの設備の宿に泊まれますが、宿の費用にそこまで予算を割く人は少ないでしょう。そのため、多くのバックパッカーは1泊1,000〜2,000円くらいの宿に宿泊しています。
離島などのリゾート地では1泊3,000円以上することも
離島やリゾート地といった、本来生活圏でない場所では設備費用がかかっているせいか街中より1,000円以上高い施設が多いです。例えば以下は、筆者がタイのサメット島という離島で宿泊したゲストハウスです。
広さは15平米。ほぼ寝るだけの部屋ですが1泊3,000円しました。
逆に街中でも、(観光の面で)立地が悪いホテル(例えば空港近くのトランジットホテルなど)だと、3つ星ホテル並みの施設なのに1泊2,000円以下で泊まれることもあります。ただ、街歩きを楽しめないのでバックパッカーが宿泊することは少ないです。
ゲストハウスはプライベートが保てる個室宿泊施設
以下は1泊2,000円くらいの一般的なゲストハウスの写真です。
1泊2,000円といえど、部屋は清掃が行き届いているため汚くはありません。また、最低限の家具家電設備(ミニ冷蔵庫、クローゼット、ソファー、化粧台、テレビなど)は完備しています。
ただ、多くのゲストハウスではセーフティボックスが完備されていないため、貴重品は外出時に都度身につけるか、鍵をしたバックパックの中に入れて保管します。
電子ケトルも完備されていない場合が多いですが、大抵は部屋にはなくても宿の共有スペース等に置いてあり自由に使えます。
「安宿」という言葉の割には、綺麗で過ごしやすそうと思われる人が大半ではないでしょうか。実際、滞在してみて不快感を感じることはそんなにないです。
ただ、ゲストハウスに総じて共通しているのはベッドが硬いこと。寝られないほどではありませんが、宿によっては寝返りを打つ度にギシギシと音がなる場合もあります。
水周りも綺麗
多くの人が心配しているであろう水周りも、基本的には清掃が行き届いています。
ただ、「安宿あるある」として、時間帯によってはお湯が出ない…なんてことがあります。大抵はホテルスタッフに言えば修理してくれますが、こうした小さいトラブルは安宿には付き物だと考えておきましょう。
ドミトリーは全て共有だが安い!
ドミトリーは寝室、キッチン、玄関、シャワー・トイレなどの設備が全て共有です。ゲストハウスに比べるとプライベートを確保できないのがデメリットですが、そのぶん料金は安め。1泊1,000円ちょっとで清潔感のある宿に泊まれます。
共有で一番不安な水周りの清潔さも問題ありません(もちろん全ての宿が綺麗というわけではありませんが…)。
共有の冷蔵庫。各自、自分の物に名前を書いて保存します。
共有の玄関。
洗濯機と乾燥機を設備しているドミトリーもあります。長期滞在するバックパッカーにはありがたいです。
プライベートを確保できないのがデメリット
筆者はゲストハウスかドミトリーどちらが良いかと聞かれたら、個人的にはゲストハウスをおすすめします。ドミトリーは宿泊料金が安いのは確かにメリットですが、プライベート空間が皆無であるため長期滞在するとストレスを溜めやすいです。
寝室でスマホの音は必ずマナーモードにする、足音は静かに、共有スペースはなるべく綺麗に使う、など気を使うことが多いです。盗難事件が発生しやすいのもドミトリーです。
そのためバックパッカー初心者には、まずゲストハウスでの滞在をおすすめします。旅に慣れてきたらドミトリーの利用も検討してみるとよいでしょう。
ホテルにはない安宿ならではのルール・注意点
全ての宿に当てはまるわけではありませんが、多くのゲストハウスやドミトリーでは、以下のようなルールや注意点があります。
- 夜になるとスタッフが帰宅してしまう
- 支払いは現金のみ
- 貴重品管理だけは厳重に!
- スタッフのレベルはそれなり
夜になるとスタッフが帰宅してしまう
宿によっては夜20:00以降にレセプションスタッフが帰宅してしまい、表門が閉められる場合があります。
チェックイン時に裏口からの入場方法や門のロック暗証番号を教えてもらえますが、チェックイン当日の到着が夜で、すでに門が閉まっていたら最悪チェックインできなくなります。
そのため、ホテル予約サイトには必ず「最終チェックイン時間」が記載されています。確認して間に合うようにしましょう。
支払いは現金のみの宿もある
近年は少なくなってきましたが、家族経営の昔ながらのゲストハウスなどでは、いまだに現金のみしか受け付けていない場合もあります。安宿に宿泊する際は、ある程度の現金を用意しておきましょう。
貴重品管理だけは厳重に!
上述したように、宿によってはセーフティボックスを完備していません。その代わり貴重品をレセプションに預けるサービスを設けている場合があります。
しかし、レセプションのスタッフだからと言って信用して貴重品を預けるのはやめておきましょう。後述しているように、安宿のスタッフは従来のホテルと比べるとそれなりです。
レセプションに預けた貴重品をスタッフが盗む…なんて事件は多発しています。盗まれたところで「あなたの勘違いでしょ?」と丸め込まれて泣き寝入りした人もいるのです。
貴重品は必ず鍵付きのバックパックの中に保管するか、肌身離さず持っておきましょう。
スタッフのレベルはそれなり
安宿のスタッフにホテルレベルの対応を求めてはいけません。外国は日本よりも「安かろう、悪かろう」「高かろう、良かろう」が浸透しています。安いということは、それなりなのです。
もちろん素晴らしいスタッフいる安宿も多々ありますが、例えばチェックイン時にスマホをいじったまま適当に対応されたり、設備に関する説明がなにもなかったり、部屋に不具合が起きてもなにも対応してくなかったり…なんてことは日常茶飯事です。
ただ、バックパッカーなら、こうしたことに一々腹を立てず、これも海外の文化として受け入れる懐の広さを持っておきたいですね。
安宿の予約方法
安宿を予約する方法は、以下の2つです。
- ホテル予約サイトを利用する
- 直接行って飛び込みで泊まる
どちらもメリット・デメリットがありますが、個人的にはホテル予約サイトを利用することを強くおすすめします。
ホテル予約サイトを利用する
安宿のホテル予約サイトはagodaが一番おすすめです。他の予約サイトとは桁違いと言っていいくらい安宿の掲載が多いです。また、沢山の日本人利用者からの口コミを見ながらホテルの評判を確認できるため、安心感があります。
予約サイト利用の注意点
ただ、agodaに限った話ではありませんが、コロナ禍の影響で多くの安宿が閉業した中、いまだに更新が追いついておらず、閉業したにも関わらず掲載されているホテルもあります。
しかも面倒なことに普通に料金を支払って予約できるのです。予約したので現地に行ってみたら、なんと廃墟になっていた…という経験をした人は実際にいます。もちろん返金してもらえますが、いちいちカスタマーセンターに電話をして返金作業するのは大変面倒です。
そのため、筆者が予約サイトを利用する場合は、予約を確定する前にGoogleMapでも閉業になっていないか二重で確認します。そこまでしておけば安心です。
飛び込みで宿泊する
安宿は飛び込みで宿泊できることが多いです。しかも部屋を実際に見せてもらえます。
清掃は行き届いているか、シャワーのお湯は出るか、窓は開閉できるかなどを自分の目で見て確認できるので安心です。
ただ、自分の足で探すとなると、もちろん選択肢は狭まるでしょう。あとから予約サイトを眺めていると「実は近くにもっと良い宿があったのか!」とガッカリすることもあります。
そのため、個人的には足を使って探すよりも、予約サイトを利用することをおすすめします。
リゾートバイトでバックパッカー的な生活に慣れる
いかがでしたか。バックパッカーの生活は、こうしたゲストハウスやドミトリーを短期間で転々としながら各国・都市を回ります。
楽しい部分も多いですが、こうして宿を転々とする生活は大変な部分もあるのは確か。宿や国が変わればルールもコロコロと変わります。他人との交流が多くなることにストレスを感じる人もいるでしょう。
リゾートバイトも旅をするように動けるという点ではバックパッカーと生活様式が似ていますが、リゾートバイトの場合は一定の場所に1ヶ月〜数ヶ月の間住むため、バックパッカーほどのストレスは感じません。
また、リゾートバイトの寮は普通の一人暮らし用アパートのような部屋が多いため、住居にストレスを感じることも少ないです。
(リゾートバイトの寮。我が家のように落ち着ける)
いきなり海外に出てみる前に、まずはリゾートバイトでバックパッカー的な暮らしに慣れるのもおすすめです。リゾートバイトを経験することで、実際のバックパッカー旅でトラブルに遭遇しても対応できるようになるでしょう。
バックパッカー旅を検討している人は、是非まずはリゾートバイトを体験してみてはいかがでしょうか。旅の魅力を発見でき、旅に慣れることができます。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
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