バックパッカー(Backpacker)という単語とは歴とした英単語であり、主に英語圏では「リュック(バックパック)を背負って旅をする人」という、日本同様の意味で使用されます。
面白いことに英語圏以外の国でも、例えば筆者が住む東南アジアのタイでも(発音は全く異なるが)「バックパッカー」という言葉は存在します。
ただ、一方でフランスでは「routard(格安旅行をする若者)」、スペインでは「mochilero」と、英語圏以外の国においては、意味は同じでも全く異なるスペル・発音が用いられることが多いため、基本的には英語圏のみで通用する言葉と認識しておきましょう。
さて、バックパッカーと言えば世界中をリュック一つで旅するイメージから、皆んな英語力が堪能と思われがちでしょう。しかし、実際には5W1Hを中心とした中学英語のみでどうにでもなるのがバックパッカー旅です。日本人の中にはカタカナ英語しか喋れないけど世界一周をしている強者すらいるくらいです。
というのは、近年はGoogle翻訳やDeepL翻訳といった翻訳ツールの性能が格段に向上しているため、簡単な単語のみならず少々複雑な文章でも意味が通じる翻訳が可能となっているからです。こうしたツールを用いれば、英語での意思疎通は決して難しくありません。
筆者が初めてバックパッカー旅に出た時の英語力はTOEIC300〜400点(中学生レベル)レベルでしたが、それでもほぼ不便を感じることをなく旅を終えられました。
とは言え、英語が話せるに越したことはありません。バックパッカー旅においては「よく使う定番のフレーズ(いわゆる旅行英会話)」が存在します。こうした定番フレーズは頭と口で完璧に覚えていた方が旅がスムーズに進みます。
それに、翻訳機なしで支えることなく外国人とペラペラ英語で話している日本人を見かけると、やはりかっこいいなと感じるものです。
そこで今回の記事では、バックパッカーに必要な英語力として
- バックパッカーに最低限必要な英語力
- 覚えておきたい!旅に必須のフレーズ
- バックパッカーを経て英語力は上がるのか?
について、筆者の経験をもとに詳しく解説します。これだけマスターしておけば、あなたも今すぐ海外へバックパッカー旅に行けます。
バックパッカーに必要な英語力。TOEIC300〜400点レベルでOKな理由
TOEIC300〜400点がどの程度の英語力かを簡単に説明すると「簡単な英語文章の読解はできるが、会話になると単語単語を繋いでなんとか話せる程度」といったレベルです。
その程度の英語力で世界を本当に旅できるの!?と思われるでしょうが、本当に旅できます。
理由は以下のとおり。
- 英語を公用語かつ第一言語としている国が少ないから
- 英語が公用語でない国の人に流暢な英語を話しても逆に通じないから
英語を公用語かつ第一言語としている国が少ないから
Wikipediaによれば、英語を公用語としている国の数は世界196ヶ国中58ヶ国のみです。しかも公用語にしていると言っても、インドのように「準公用語」としている国も含まれていて、こうした国ではビジネスの場でこそ英語が使用されるものの、バックパッカーが立ち入る場所(都市部での日常生活や教育水準の低い地域)では、簡単な英語しか通じません。
また、英語を公用語としている国の多くがアフリカ諸国であり、治安面や情報量の少なさからバックパッカーには不人気な国が多いです。
英語が公用語でない国の人に流暢な英語を話しても逆に通じないから
例えばタイのような世界中のバックパッカーが集まる観光立国では、観光業に携わる人には英語が通じると思われがちです。しかし、彼らも我々日本人同様に英語は学習の一環として学校の授業に取り入れられているだけのレベルなので、流暢に英語を話せる・理解できる人はほんの一握りです。
五つ星ホテルのマネージャークラスになると英語が流暢な人もいますが、バックパッカーが関わるような土産物屋の店員、タクシードライバーには簡単な英語しか通じません。逆に英語圏の人間が彼らに流暢な英語を話して全く通じていない場面を何度も見てきました。
流暢な英語を話すよりも、例えばタクシードライバーには「Please go ◯◯ Station OK ??」みたいな、出川イングリッシュとまではいいませんが、いわゆるブロークンイングリッシュの方が理解してもらえるケースが多々あるのです。
私たち日本人もそうですよね。例えば外国人に流暢な発音と早いスピードで「Could you tell me the way to the station?(駅までの道のりを教えていただけませんか?)」と聞かれるより、簡単に「Where is the station?(駅はどこですか?)」と聞かれた方が、スッと理解できるでしょう。
英語圏以外の国においての英会話では、"a"や"the"などの冠詞すら省略されることが多いです。一般人との会話においては三単現の"s"すらも省略されます。それでも意味は通じるからです。
教科書通りの綺麗な英語よりも、意味が通じることが大事。というのがバックパッカー旅における英語です。
こうした理由から、バックパッカー旅に必要な英語力はTOEIC300〜400点レベルで十分なのです。
5W1Hがわかればよし!
5W1Hとは
- いつ / When
- どこで / Where
- 誰が / Who
- 何を / What
- なぜ / Why
- どのように / How
を指します。この5W1Hさえわかれば、流暢な英語文章を組み立てるまでもなく、おおまかに言いたいことを理解してもらえます。
例えば、あなたが駅で列車を待っているとしましょう。時刻表の時間になっても中々目的の列車が来ません(海外ではよくあること)。
そんな時、駅員に「When train come ?」と聞くだけで意味は通じます。なんなら"train"を省いて「When Come ?」だけでも、相手はこちらの言いたいことを察してくれます。
5W1Hはバックパッカー旅行中に一番使用する単語です。これだけは最低でも絶対にマスターしておきましょう。
これだけ覚えよう!シチュエーションごとの必須バックパッカー英語フレーズ
以下では筆者がバックパッカー旅行中に頻繁に使用するフレーズをシチュエーションごとに紹介しています。
TOEIC300〜400点レベルの英語力があれば、以下で紹介するフレーズはすぐに口から出てくるものばかりですが、全く英語力に自信がない人であれば即座に口から出せるようにしておきましょう。
- ホテル・ゲストハウスで使う英会話
- 空港で使う英会話
- 両替で使う英会話
- 買い物で使う英会話
- レストランで使う英会話
ホテル・ゲストハウスで使う英会話
ホテルやゲストハウスで主に利用するフレーズは以下の4つです。
- チェックインできますか?
“Can I check in now?” - チェックアウトしたいのですが
“Check out, please.” - レイトチェックアウトできますか?
“Could I have a late checkout?”
レイトチェクアウトのフレーズは割と使う機会が多いです。バックパッカーをしていると夜中まで遊ぶことが多く、翌日昼のチェックアウト時間に間に合わないことがあります。そんな時は急いでフロントへ行き、"Could I have a late checkout?"と尋ねましょう。
また、ゲストハウスはチェックインする前に実際に部屋を見せてもらい、気に入った部屋に滞在できます。そのため、以下のフレーズも覚えておくと便利。
- いくつか部屋を見せて頂けますか?
“Could you please show me some rooms?”
また、チェックアウト後に荷物を預かって欲しい時のフレーズもよく使います。
- 荷物を預かってくれますか?
“Can I leave my bag here?”
上記もあわせて覚えておきましょう。
空港で使う英会話
空港で使う英会話の代表例は、入国時の
- 滞在期間はどのくらいですか?
“How long will you be staying?” - なんの目的で訪れましたか?
“What’s the purpose of your visit?”
観光です。
“Sightseeing.”
の2フレーズですが、これ筆者は今まで一度も聞かれたことがありません。アメリカ入国時には聞かれることがあるそうですが、その他の国ではほぼ聞かれることはないでしょう。そのため、無理に覚える必要はないかと思います。
それよりも、空港で荷物が出てこない!と言ったトラブル時の英会話を覚えておいた方が良いです。
- 私の荷物が出てきません!
“My baggage didn’t come out.” - どんな荷物ですか?
“What is it like ?” - 白色のリュックです。
“It’s a white backpack.”
探してくれますか?
“Please look for it.”
両替で使う英会話
バックパッカー中は複数国を周遊するので、両替所に足を運ぶ機会が頻繁にあります。基本的に両替所では、なにも言わずに日本円を出せば現地通貨に交換してくれるのですが、よくあるのが大きなお札ばかり渡されるパターン。
多くの途上国では支払い時に大きなお札を使用すると嫌がられます(お釣りがないから)。なので、基本的には小さなお札を沢山もらう方が良いです。
そんな時に使用する英会話フレーズを覚えておきましょう(以下でわかりやすく日本円を例に紹介)。
- 1000円札でお願いします。
“In 1000-yen bills, please.” - 5000円札を10枚、1000円札を20枚でお願いします。
“Ten five thousand yen, twenty thousand yen, please.”
必要に応じて"Dollar(ドル)"や"Baht(バーツ)"、rupee(インドルピー)などに変え、応用してみましょう。
買い物で使う英会話
バックパッカーが買い物でよく使用するフレーズは、以下の2つ。
- もう少し安くしてくれませんか?
“Could you please give me a discount?” - 試着してもいいですか?
“Can I try this on ?”
この2つのフレーズはめちゃくちゃ使います。特に「安くしてくれませんか?」は覚えておいて損はなし。買い物以外でも、例えばゲストハウスに泊まる時でも言ってみると安くしてくれることがあります。
言うだけならタダです。値札が付いていない場所ではガンガン使いましょう。
レストランで使う英会話
レストランでは英語を話せなくても指差しで注文できます。ただ、せっかくならその店おすすめの一品を食べたい時もあるでしょう。そんな時に便利なのが以下のフレーズ。
- おすすめはなんですか?
“What do you recommend ?”
また、ご当地グルメを食べたい時には、以下のフレーズを利用しましょう。
- 地元の料理が食べたいです。
“I’d like to have some local food.”
こうした質問をすると見たことも聞いたこともない料理(しかも美味しい)に出会えるので、海外のレストランでは、ばしばし使ってみましょう。
【悲報】バックパッカーをしても英語力は上がりません…
上記の内容から、バックパッカー旅には大した英語力が必要でないことがおわかり頂けたでしょう。
では、上記の英語力を駆使してバックパッカー旅を続けたところで英語力は上がるのでしょうか?
結論を言うと、全く上がりません。
例えば上記の英語力を持ってして、英語圏から来たネイティブに囲まれた生活を送るとしましょう。すると日常会話をとおして英語力が上がると勘違いしがちですが、全然違います。彼らが話している内容に全くついていけない日々が続くだけです。
結局、英会話が成立するのは、同じ英語力同士で会話をしている時だけです。英語力が同レベルなら(自分にとって)難しい単語は出てきませんし、多少文法や発音が間違っていても何を言いたいか察せますし察してくれます。
ただ、レベルが低いところで英会話を続けていても、英語力が向上することは絶対にありません。
英語力を上げたいなら地道な勉強が必要
筆者も痛感していますが、語学は本当に一生ものの付き合いです。旅をしながら片手間に英語と触れ合う…程度では、単語の一つや二つ覚えることはあっても、英語力が全体的に向上することはまずありえません。
筆者はバックパッカー中に、日本人と間違えるくらい日本語が堪能なインド人と出会いましたが、彼いわく「毎日寝る時間を惜しんで3〜4時間勉強していたのはもちろんのこと、最盛期は仕事もせず1日10時間以上日本語勉強と向き合った」と言っていました。
そのくらい血の滲む努力をして、はじめて語学は身に付くものなんですね。
なので英語力を上げたいのであれば、旅をしながら〜ではなく、素直に留学する方が断然おすすめです。
実際、留学を経てバックパッカー旅に出た日本人に遭遇したことがありますが、彼らの話す英語は本当に堪能で、英語圏のネイティブとも普通に会話できていて羨ましかったです。
日本国内でリゾートバイトをしながら英語力をあげてみては?
いくら英語力が不要と言っても、ではいきなり海外へバックパッカーをしに行こう!と考えるのは、やはり不安はつきもの。筆者も初めてのバックパッカー旅で、空港で係員にトイレの場所を聞く時すら「本当に通じるのかな…?」と、とても不安を覚えたものです。
また、じゃあ留学をしてバックパッカーだ!と思っても、簡単に留学費用は貯められないでしょう。
そこで、まずは日本で英語力を鍛えながら働いてお金を貯めるという手段を取るのもおすすめ。
「そんなこと本当にできるの…?」と思われるでしょうが、実は日本でも英語力を上げながらお金を貯めるのは誰でも可能です。
英語力が上がるリゾートバイト
「リゾートバイト」とは、全国各地の観光地や行楽地にて短期間から住み込みで働けるアルバイトです。実はこのリゾートバイト、留学費用を貯めたい人やバックパッカー費用を貯めたい人に非常に人気。
その理由は、上述したように英語力を上げながらお金を貯められることにあるのですが、なぜリゾートバイトで英語力を上げられるのかと言うと、日本はインバウンド需要の拡大が見込まれていて、多くの外国人が日本を訪れているからです。
例えば、「日本の中の異国」と言われる北海道・ニセコは最たる例。ニセコは日本でありながら公用語が英語となりつつあります。ニセコのような場所で接客業(ホテルフロントなど)として働くと、「接客英語(感じの良い英会話)」を自然と身につけられます。
もちろん自ら勉強をすることも重要ですが、「仕事で英語を話せないといけない環境に身を置く」「接客業はイレギュラーな対応もすることがある」ということから、実はバックパッカー旅をするよりも格段に英語力が身に付くのです。
なにより、大勢の外国人と接客することで「英語で話すことへの心理的ハードル」が下がります。多くの日本人が気づいていることでしょうが、日本人が英語を話せない一番の理由は、この英語を話す心理的ハードルが高すぎるからです。
まずは心理的ハードルを取り除き、そして感じの良い英会話を日々身につける。また、お金も貯められて一石二鳥という環境で働けます。
バックパッカー旅を始める前に、まずはリゾートバイトを利用してニセコなどで働き、外国人と触れ合うのは本当におすすめです。海外旅や英語に興味がある人は、ぜひリゾートバイトを経験してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
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