海外旅行中の事故・怪我といったトラブル発生率は非常に高く、ジェイアイ火災保険株式会社が調査したデータによれば、海外旅行中における邦人の事故・怪我の発生率は4.14%(24人に1人)と言われています。
上記は決して少ない数字とは言えないでしょう。海外旅行中に事故や怪我に見舞われる可能性は、他人事と思ってはいけないのです。そのため、海外旅行をするのであれば、たとえ2泊や3泊などの短期旅行であっても保険への加入は必須です。長期に渡り海外を旅するバックパッカーであればなおさらでしょう。
しかし、できるだけ費用を安くおさえて旅行したいバックパッカーが保険加入のために別途保険料を支払うのは気が引けるもの。であれば、年会費無料かつ海外旅行保険が自動付帯のクレジットカードなどを作り、コストを抑えつつ安心に旅をしましょう。
この記事ではバックパッカーの保険ガイドとして、海外で実際に怪我をしてしまった場合の治療費やおすすめの保険加入方法、抑えておくべき補償内容まで詳しく解説していきます。
海外では「医療もビジネス」。治療費はバカにならほど高い
もし、海外旅行保険未加入の状態で、現地の病院でなにかしらの治療を受けた場合、基本的には治療費を一旦は全額負担しなければいけません。国民健康保険に加入していれば、海外療養費支給制度を利用して、帰国後に申請することで治療費の7割を保険給付金として払い戻ししてもらえます(日本同様に自己負担は3割)。
しかし、注意しなくてはならないのは「一旦は自身で全額負担しなければいけない」という点。
海外では「医療もビジネス」です。全額負担できるお金がなければ、いくら大怪我をしていても、まともな治療は受けられません。お金がなければ最悪の場合生死に関わる事態も想定しておかなければいけません。
では、実際に保険に加入していなかった場合の治療費はいくらかかるのか?下記でバックパッカーに人気の渡航先である「タイ」「アメリカ」「東ヨーロッパ」を例に紹介します。
※下記はあくまでも一例です。症状や治療を受ける病院の種類(公立病院なのか国際病院なのか)等によって治療費は異なります。あくまでも参考程度にとらえてください。
タイでも閉鎖骨折なら10万円もの治療費がかかる!
物価が安いイメージのタイでも、閉鎖骨折なら10万円弱の治療費、大きな裂傷であれば15〜20円もの治療費が発生します。また、盲腸ともなれば50万円以上の治療費が発生することもあります。
医療費世界1位のアメリカは半端ではない高さ
医療技術こそ高いものの、基本的に病院側が医療費を決めるアメリカにおいての医療費は洒落になれない高さです。一例を出すと、閉鎖骨折でも50万円を超えるケースがあり、大きな裂傷であれば100万円を超える場合もあります。保険未加入だと完全に詰んでしまいますね…。
東ヨーロッパも数十万の治療費が発生する
バックパッカーに人気の渡航先である東ヨーロッパよりハンガリーでの医療費を例に出すと、こちらも閉鎖骨折で10万円以上、複雑な裂傷だと20〜30万円の治療費が発生します。
保険未加入は高リスクでしかない
盲腸はさすがに中々起こりうるとは思えませんが、骨折や裂傷ならバックパッカー中に起こることは十分に考えられます。上記の金額は確かに一例ではありますが、無保険がいかに高リスクであるかお分かり頂けたでしょう。
ではバックパッカーはどのような保険に加入すべきか?以下でできるだけコストを抑えたおすすめの海外旅行保険を紹介します。
バックパッカーにおすすめの海外旅行保険
まず、海外旅行保険に加入するには、主に以下3つの方法があります。
- クレジットカードの海外旅行保険付帯
- インターネットから加入する
- 旅行会社の窓口で加入する
上記のうち、旅行会社の窓口で加入する保険は、保険料が最も高額になるのでおすすめしません。なので、海外旅行保険を付帯しているクレジットカードを作成するか、インターネットからの加入を検討しましょう。
3ヶ月以内の旅行なら海外旅行保険付帯のクレジットカードを作ろう
近年、多くのクレジットカードが海外旅行保険を付帯しています。ただ、ほとんどのクレジットカードの海外旅行保険適用期間は、出国から3ヶ月(90日)以内です。90日以内の旅を検討しているのであれば、クレジットカードを作るのが一番コストを抑えられます。
とは言え、クレジットカードの海外旅行保険付帯には様々な「条件」があります。まずは、できるだけ無料で保険付帯を利用できるよう、以下の条件に当てはまるクレジットカードを作りましょう。
- 年会費が無料である(無料で作れるクレジットカード)
- 海外旅行保険が「自動付帯」である
- キャッシュレス診療が可能である
年会費が無料である
クレジットカードの種類によっては加入に年会費が発生します。年会費が発生するクレジットカードには様々な特典が付いていますが、海外旅行保険のみが目的であれば、特典は必要ないでしょう。
従って、まず最初に年会費が無料のクレジットカードに入会することを検討しましょう(年会費無料の発行会社は後述しています)。
海外旅行保険が「自動付帯」である
クレジットカードに付帯する保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。自動付帯とは、クレジットカードを海外に携帯するだけで自動的に保険が付帯されるタイプを指します。
一方の「利用付帯」とは、出国するまでの公共交通機関のなにかしら(飛行機代、空港へ行くタクシー代、ツアーパック代でもOK)をカードで支払うことではじめて保険が付帯されるタイプを指します。
そもそも飛行機代等をクレジットカードで支払う予定の人であれば利用付帯のカードでも構わないでしょうが、そうでない人は自動付帯のクレジットカードを発行しましょう。
キャッシュレス診療が可能である
キャッシュレス診療とは、カード発行会社と提携している海外の病院で治療を受ける際に、自身が治療費の立て替えをせずに治療が受けられるサービスです。このキャッシュレス診療の可否は非常に重要です。
なぜなら、上述したように海外での治療費はとんでもなく高額です。もしキャッシュレス診療が不可の場合、あとから治療費が戻ってくるとはいえ、一旦は自身で治療費を立て替えなければいけません。
そのため、絶対にキャッシュレス診療が可能のクレジットカードに加入しましょう。
3つの条件を満たしたおすすめのクレジットカード
年会費が無料、海外旅行保険が自動付帯、キャッシュレス診療が可能の条件を満たしたクレジットカードは、主に以下の2つが有名です。
- エポスカード
- 学生専用ライフカード
学生でなければエポスカードの発行を検討すると良いです。エポスカードは比較的審査が緩く、無職でも入会できる可能性が高いです。
学生であれば「学生専用ライフカード」がおすすめ。「高校生を除く満18歳以上満25歳以下で、大学・大学院・短期大学・専門学校に在学中の方」という条件を満たしてれば、年会費無料で入会できます。
以下は各カードの補償額内容です。1枚持っておけばある程度は安心できる額を補償してくれます。
エポスカードの補償額
学生専用ライフカードの補償額
90日以上の旅行ならインターネットで加入しよう
90日以上バックパッカーをする予定なら、インターネットで保険に加入にしましょう。筆者もタイに度々長期滞在しているため、いつもインターネットで保険に加入しています。
インターネットで加入できる保険も様々な会社が存在しますが、一番安くて有名なのは「ジェイアイ傷害火災保険」です。
参考に、筆者がジェイアイ傷害火災保険にて直近で加入した海外旅行保険料は、9ヶ月適用で合計17万5,000円でした(渡航先によって保険料は異なる場合があります)。
17万5,000円…決して安い金額ではありませんよね。そんな大金払うのはちょっと…と躊躇してしまう気持ちも分かります。しかし、上述した海外での治療費を思い出してください。
たったの17万5,000円で安心が得られるのであれば安い買い物ではないでしょうか?
1年以上のバックパッカー旅なら保険料は20万円を超えることもあるでしょう。しかし、よくよく考えると1ヶ月あたりたったの1万6,000円ちょっとの支払いです。万が一に備えて、多少保険料がもったいないと思っても絶対に加入しておきましょう。
抑えておくべき保険の補償額内容。足りないならクレジットカードを2枚持ちしよう
海外旅行保険の補償項目において、最も重要視すべきは「傷害治療保険」と「疾病治療保険」です。この二つが最も利用される確率が高いです。
- 傷害治療保険とは…骨折や裂傷などを含む怪我全般の治療費用を補償
- 疾病治療保険とは…特定感染症(コレラやSARS、デング熱)などを含む、旅行中に発病した病気全般の治療費用を補償
(詳しい補償範囲については、各保険会社やクレジットカード会社のホームページでも必ず確認してください)
その他の項目については、あまり利用する機会がないうえ、そもそもクレジットカード付帯の保険や保険会社で加入した保険で十分まかなえる額が補償されます。例えば、旅行中に死亡してしまった場合の補償をする「傷害死亡」といった項目もありますが、死んでしまった後のことなんてどうでもよいでしょう。(養う家族がいる方はその限りではないですが)
やはり抑えておくべきは、主に怪我全般と病気全般の補償内容です。
ここで少し不安になるのが、上述したクレジットカードに付帯する保険の補償額。保険会社の補償額は高額なので心配不要ですが、エポスカードや学生専用ライフカードの傷害治療保険と疾病治療保険の補償額は200万円程度。
アメリカなどの医療費が高い国で大きな怪我や病気をしてしまった場合は、余裕で200万円を超える可能性があります。そんな時に備えてクレジットカードを2枚持っておきましょう。補償金額が合算されます。
クレジットカードを複数枚持つと補償額が合算される
実は海外旅行保険付帯のクレジットカードを複数枚持っておくと、「傷害死亡・後遺障害保険金」以外の項目においては、補償額が合算される仕組みになっています(傷害死亡・後遺障害保険金については、保有しているカードの中の最高補償金額が限度になる)。
例えば上述したエポスカードと学生専用ライフカードの2枚を保有しておけば、傷害治療保険は400万円、疾病治療保険は最高で470万円まで補償されます。
400万も補償されるのであれば、ある程度は安心できるでしょう。
医療費が高額だったり伝染病が流行している国へ行く場合は、念のためクレジットカードを2枚持ちしておくと良いです。
海外での怪我や病気は本当に恐ろしい
海外では本当にいつどこで何が起こって怪我したり病気になるかわかりません。例えば海外は日本よりも運転マナーが悪い国が多く、こちらが気をつけていても事故に巻き込まれて怪我をする可能性があります。
また、バックパッカー中に海外のお祭りやイベントに参加するのも危険が伴います。韓国・ソウルの繁華街イテウォンにてハロウィンに雑踏事故が起こり、日本人含む154人もの人が亡くなったのは記憶に新しいです。
加えて、タイやアメリカといった在住日本人が多い国であれば国際病院に日本語通訳がいますが、日本人が少ない国では英語しか通じません。英語力に自信がない人は症状すらまともに伝えられない可能性があるでしょう。
そのため、保険に入るのはもちろんですが、そもそもバックパッカーをするのであれば、旅慣れしておいたり、順応力を付けておくことが非常に重要です。
自身の守備力を高めておくことが必要なのです。
そのため、やはり海外は不安…と感じる人は、まずは自身の順応力や守備力を高め旅慣れするためにも、国内でリゾートバイトを経験しておくことがおすすめです。
リゾートバイトで順応性と守備力を高める
リゾートバイトとは日本全国の行楽地、観光地にて住み込みで働くアルバイトです。日本国内で働くため海外よりも危険性は低いですが、バックパッカーのように旅しながら働くため、怪我や病気に見舞われた際は、その地その地で病院を探したりする適応力が試されます。
海外よりも勝手がわかる日本で働くためイージーに思われがちですが、日本でリゾートバイトを経験しておけば確実に順応性が高まります。いざ海外に出てなにか起こった時、「知らない土地で発生するリスクに対しての対応力」を発揮できるのです。
是非、海外バックパッカーを検討している人は、まずは国内でリゾートバイトを経験して旅に対する適応能力を身につけておきましょう。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
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