バックパッカーのライフスタイルに憧れや興味を持つ人は多いでしょう。バックパッカーは日本の閉鎖的な環境から離れ他国の文化に触れることで、多様性を受容したり自分なりの幸福論を発見できます。
今の時代、受動的な人生では本当の幸福は見つけられません。だからこそ能動的に生きるべきです。その足がかりとしてバックパッカーを経験してみましょう。ただ、漠然とバックパッカーを始めたいと思っても、初心者はなにから始めればいいのか見当がつかないでしょう。バックパッカーをすることで得られるメリットや、被るデメリットも気になるはず。
そこで本記事では、20代中盤から5年以上のバックパッカーを経験をしてきた筆者が、初心者に向け
- バックパッカー初心者におすすめの国
- バックパッカーに必要な準備(持ち物、費用、泊まる場所)
- バックパッカーを経て得られること
- バックパッカーになることのデメリット
を解説します。
初心者にオススメの国はタイ
今も昔もバックパッカー初心者が最初に目指すべき場所はタイ一択です。タイはバックパッカーの聖地と言われている国であり、日本人に限らず世界のバックパッカーがタイをスタート地点にして世界各国を回ります。
タイは「最も日本から近い、カオスを味わえる国」です。日本人の感性から言えば理解できないほど煌びやかな寺院、仏教とヒンドゥー教が混在する独特の宗教感、世界一激しい貧富の差。
こうしたカオスを求め、タイには1980年代から多くの日本人バックパッカーが一度は訪れています。それだけにネットにはタイに関する情報があふれています。
また、単純に下記のように海外に慣れていない人でも旅しやすい環境が整っているのも初心者におすすめできるポイントです。
- 日本からそれほど遠くない(片道約5時間)
- ビザなしで30日間も滞在できる
- 周辺国(カンボジア、ラオス、ベトナム)への公共交通機関が充実している
- ネット環境が充実している(飲食店、安宿、デパート、カフェなど多くの施設で無料Wifi完備)
- 必要なものを安く揃えられる(日本並みにコンビニやショッピングストアが充実している)
- まだまだ物価は安い(庶民の目線に合わせた旅なら月10万円あれば足りる!!)
- 人が親切(東南アジアナンバーワンの親日国)
海外慣れできる
上述したようにタイに関する情報はネット上にあふれています。例えばビザなしで30日間以上滞在したい場合、Googleで「タイ 滞在期間 延長方法 ビザなし」等で検索すると延長方法を簡単に調べられます。
検索した情報を頼りに実際に滞在延長してみたとしましょう。すると「海外のイミグレーションで滞在期間を延長する方法」の流れが身につきます。もちろん国によって細かい部分で申請方法は異なりますが、基本的に必要なものや書類の書き方、申請書類に使われる英単語は理解できるようになります。
これがもし他の国なら、情報は現地語か英語でしか出てこない…日本語の情報が出てきたとしても5年以上も前の記事で信憑性に欠ける…なんてことは珍しくありません。
しかしタイであれば、大抵の情報は日本語で検索できます。
そのため、初心者はまずタイでバックパッカーとしての経験を積み、インドや東ヨーロッパと言ったハードルが高い国へと行くといいです。
タイは日本とは全く異なるカオスを味わえる国でありながら、旅のしやすさがナンバーワン。バックパッカー初心者にはなにもかもが丁度良い国です。
バックパッカー初心者に必要な準備と知識
初心者がバックパッカーを始めるうえで必要な準備と知識には、大まかに下記の3つがあります。
- 必要な持ち物
- 費用
- 泊まる場所
上記3項目を知っておけば、あとは行きたい国を選定するだけ。そして勇気を持って出発しましょう。
必要な持ち物
必要な荷物は決して多くありません。
渡航先によって若干荷物の内容が異なることもありますが、基本的には以下15点の必需品さえあればOK。あとは渡航先の環境によって、都度現地で必要なものを購入します。
- バックパック
- サブバッグ
- パスポート
- クレジットカード
- ドライヤー
- サンダル
- ワイヤーロック
- 洗面用具
- 衣類(3〜4日分くらい)
- 衣類圧縮袋
- 充電器、コード類
- 変換プラグ付属の変圧器
- モバイルバッテリー
- 折りたたみハンガーと洗濯紐
- 常備薬
上記は筆者が5年以上のバックパッカーを経て確信した必需品リスト。初心者は不安なことも多くアレコレと不必要な物までバックパックに詰め込みがちですが、荷物が多くなればなるほどバックパックは重くなります。
そして徒歩移動が多いバックパッカーにとって荷物が重いことは、致命的なストレスになることを知っておきましょう。そのため、荷物は最小限に。上記15点の必需品がベストなのです。
バックパッカーの必需品についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にどうぞ。
必要な費用は1ヶ月5〜20万円
初心者バックパッカーが渡航する場所は、主に「タイ」「インド」「東ヨーロッパ」の3エリアになるでしょう。なぜなら上記3エリアは比較的治安が良く、それでいて日本とは大きく異なる異文化を味わえて、かつ費用が安いからです。
下表は、各渡航先における1ヶ月の滞在費用目安です。
- インドの1ヶ月滞在費用
飲食費計 | 13,000円 |
---|---|
宿泊費計 | 14,000円 |
交通費計 | 20,000円 |
観光費計 | 5,000円 |
その他計 | 5,000円 |
合 計 | 57,000円 |
- タイの1ヶ月滞在費用
飲食費計 | 16,000円 |
---|---|
宿泊費計 | 40,000円 |
交通費計 | 35,000円 |
観光費計 | 8,000円 |
その他計 | 10,000円 |
合 計 | 109,000円 |
- 東ヨーロッパの1ヶ月滞在費用
飲食費計 | 75,000円 |
---|---|
宿泊費計 | 55,000円 |
交通費計 | 50,000円 |
観光費計 | 10,000円 |
その他計 | 10,000円 |
合 計 | 200,000円 |
上記に加え、往復の航空券(値段は渡航先にもよるが、大きく見積もって7〜8万円)が加わります。
航空券は近年の円安事情や燃油サーチャージの高騰により10万円弱という大きな金額を負担せざるを得ませんが、それでも例えばタイなら航空券を含めても1ヶ月20万円以下で旅できます。
お金がない大学生やフリーターでもアルバイトで十分に貯められる額です。
初心者はゲストハウスに泊まる
バックパッカー上級者の中にはドミトリー(相部屋の安ホテル。初心者にとっては結構過酷)を滞在拠点にしたり、中には現地でサービスアパートを借りて移住するかのように滞在する人もいます。
ただ、初心者であればまずはゲストハウス(海外では「バジェットホテル」と呼ばれることもある)に泊まることを検討しましょう。そしてゲストハウスがどういう宿泊施設なのかも知っておくと良いです。
ゲストハウスとは、簡単に言えば1泊2,000円前後で宿泊できる簡易的な宿泊施設です。ホテルとは異なりルームサービスや清掃サービスはありません。部屋の広さは20平米前後(上写真くらいの広さ)、プールやフィットネスジムは設備されていません。
ホテルとは異なり施設での滞在時間を楽しむ場所ではなく、完全に寝るだけの場所と考えるとわかりやすいでしょう。
旅に関心がない人はご存知ないかと思いますが、実は日本も含め世界各国の都市には、必ずゲストハウスが点在しています。
バックパッカーはゲストハウスを転々として旅するのです。ゲストハウスはエクスペディアやブッキング.comといった大手ホテル予約サイトからでも予約できます。
ゲストハウスの詳細については、以下の記事も参考にどうぞ。水周りの清潔さや周辺環境についても写真を用いて詳しく解説しています。
バックパッカーをするメリットは内面の成長
バックパッカーを経験することで得られるメリットは、ただ一つ。「内面の成長」に尽きます。もう少し具体的に言えば、「多様性を受け入れられるようになること」。
多様性を受け入れることは自分なりの幸福論を見つけるうえで非常に重要です。しかし、閉鎖的な日本の環境で簡単に多様性を受容することは難しいです。だからこそ、文化や経済力が異なる様々な国を自分の目で見る必要があります。
海外に行くと様々な光景や人々を目にします。
貧困の中でも毎日を笑顔で過ごす人々、社会をドロップアウトして居場所を求めて海外に来た日本人、当たり前ではない物質的な豊かさや健康の維持…。
これらを目にすることで、これまで掴みどころがなかった「世の中には違う価値観があるはず。今いる自分の生活の常識が全てではないのでは?」という疑問は確信へと変わります。
理屈ではなく、身をもって体験できるのです。
筆者の場合は、バックパッカーを経て多様性を受容したことで「社会のレールから外れた生き方は決して誤りではない」「人生はどうにもでなる」という、筆者にとっての幸せへの道筋とも言える価値観を発見できました。
結果、現在はブロガー兼WEBライターという、おそらく一般的とは言えない生き方を構築しているわけですが、筆者にとってこの生き方が求めていたものであり、バックパッカーを経たからこそこうした生き方をすることに踏ん切りがつきました。
上述したように、今の時代は受動的な人生では本当の幸福を見つけられません。それは、あなたを含め多くの人が気づいているでしょう。
バックパッカーだけが自身の価値観を変える方法とは言いません。しかし、今まで日本で受動的だった人がこれからも日本に居続けて、能動的な人間になるとは考えづらいです。
だからこそ、手っ取り早くバックパッカー旅で環境をがらりと変えることで、多様性を身につけあなたにとっての幸せの道筋を発見しましょう。これがバックパッカーをする最大のメリットです。
バックパッカーのデメリットは「社会からの一時離脱」
バックパッカーのメリットとデメリットは表裏一体です。
つまり、バックパッカーとして社会から一時離脱することで内面が成長する一方で、履歴書に空白期間(社会から一時離脱していた事実)を作ってしまうデメリットを避けることができません。
ただ、履歴書に空白期間があるからと言って、決して社会復帰できないわけではないので安心してください。
とは言え、今後も日本社会で生きていくつもりなのであれば、社会から一時離脱したという事実は就職や転職活動において決して有利に働くことはありません。
バックパッカーをするのであれば、上記のデメリットは承知の上で、内面の成長がデメリットを覆すほどのメリットだと受け入れるべきでしょう。
また、他のデメリットとして、予想以上に海外の環境が自分の肌に合わない可能性も挙げられます。せっかくお金を貯め、仕事を辞め(あるいは休学して)海外に来たはいいものの1週間で帰国する人もいるのです。
英語が上達するわけでもない
また、多くの人が勘違いしていますが、バックパッカーをしても決して英語は上達しません。もちろん、旅に必要な単語やフレーズを覚えることはあります。しかし、語学は地道な努力なしでは絶対に身に付かないと断言します。
英語力をあげたいのであれば、シンプルに留学することをおすすめします。
デメリットを被らずバックパッカーをする方法
初心者バックパッカーにとって懸念となるのが、やはり上述したデメリットの存在になるでしょう。筆者も手放しで「デメリットなんて気にせず海外を旅するべき!」と無責任なことは言えません。
そこでデメリットを被らず、内面を成長させる旅としておすすめしたいのがリゾートバイトです。
リゾートバイトのメリット
リゾートバイトは全国各地の行楽地や観光地、温泉地にて住み込みで働くアルバイトです。リゾートバイトであれば、国内を旅するように転々としながらバックパッカーのような生活を実現できます。
リゾートバイト最大のメリットとして挙げられるのが、旅のような生活を送りつつも履歴書に空白期間が残らないこと。リゾートバイトは歴としたアルバイトです。社会から一時離脱するわけではありません。
また、リゾートバイトも、生活環境を変えるため内面の変化を実感できます。
筆者もこうしたリゾートバイト独自のメリットに魅力を感じ、バックパッカーを経た後はリゾートバイトで日本各地を転々とする時期を送っていました。
リゾートバイトも「今まで知らなかった土地で、絶対に出会うことがない人たちとの出会い」があります。こうした経験が自分を人間として一回りも二回りも成長させてくれるのです。
初心者バックパッカーは、まずはリゾートバイトでお金を貯め、経験を積み、そして海外でバックパッカー旅をすることも検討してみてはいかがでしょうか。
自分の幸せの道筋を見つけるために、能動的に人生を生きましょう。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
3年間で10箇所のリゾートバイトを経験。現在は日本とタイの二拠点生活を送りながら、アフィリエイター兼WEBライターをしています。 タイの魅力はスバリ!「タイの寺院は美しいから」。
あわせて読みたい!リゾバマガジン
リゾートバイトを始める流れ
-
1
スタッフ登録
これからお仕事選びを始める人、リゾバについてもっと知りたい人は「まずは登録(無料)」ボタンから登録予約をお願いします。
-
2
お仕事相談
ヒューマニックの担当コーディネーターが、勤務エリアや職種、期間、給料など、ご希望にぴったりのリゾートバイト探しをサポートします。
-
3
お仕事決定、出発
勤務先までの交通手段や持っていく荷物の相談など、担当コーディネーターがアドバイスいたします。
-
4
お仕事スタート
勤務期間中も担当コーディネーターがしっかりサポートいたします。お気軽にご相談ください。