日本にはかつて2万以上のお城があると言われていましたが、現在実際に見学できるのは、200城ほどといわれています。
その中でも今回は日本三名城(日本三大名城)をはじめ、城下町を築いた日本三大平城、山に囲まれた日本三大山城など、日本三大〇〇城を厳選して6選ご紹介します。
国宝の城から世界遺産のお城まで一度は訪れてみたいお城がいっぱい!ぜひ、ご覧ください。
日本三大名城/日本三大名城

日本三大名城(日本三名城)と呼ばれるお城は、時代や定義によってどれを選ぶか異なります。
西ヶ谷恭弘著『城郭(東京堂出版)』によると「近世末に流行した番付表や名数表などによると、日本三名城は、江戸城を別格として、大坂・名古屋・熊本」を挙げられていたそうです。
これら3つの城は「難攻不落」として知られ、その堅牢さが大きな特徴です。
次の章で各お城の特徴や見どころ、難攻不落といわれた理由を紹介します。
大阪城(大阪府大阪市)

安土桃山時代に豊臣秀吉が、石山本願寺の跡地に大阪城を築城。この城は、かつて秀吉が仕えた織田信長の安土城を超える規模を誇り、日本最大級の城として知られていました。
しかし、江戸時代初期の「大坂の陣」で、徳川家康率いる幕府軍と豊臣氏の間で激しい戦闘が繰り広げられ、大阪城は攻め落とされてしまいます。この戦いによって豊臣家は滅亡しました。
その後、大阪城は二代目将軍・徳川秀忠によって再建されましたが、明治維新の混乱の中で焼失してしまいます。後に修復が行われ、現在では大阪城公園として多くの人に親しまれています。
見どころ
昭和初期に復興した大阪城の天守閣は、現在歴史博物館として利用されており、豊臣秀吉のゆかりの品や戦国時代の資料などが展示されています。
大阪城には、10ヶ所以上の重要文化財があります。なかでも、徳川時代以降に再建された大手門や巨大な石垣、敵の侵入を防ぐために作られた多聞櫓(たもんやぐら)などは、何度か修復が行われたものの、当時の姿を今に伝えています。
≪難攻不落の城と言われた理由≫
・二重の堀や巨大な石垣など敵の侵入を極めて困難にするものだった
・監視の役割も担っていた天守閣や櫓は、当時最大級の高さといわれていた
名古屋城(愛知県名古屋市)

江戸時代初期に、徳川家康は豊臣家との戦闘に備えて名古屋城を築きました。それまで拠点としていた清州城は水害のリスクが高いため、名古屋城へと移転を決めました。
当時の城下町に住む約6万人や100を超える寺社を含む大規模な引っ越しが行われました。
時が経ち、名古屋大空襲によって城は壊滅状態に陥りましたが、1959年天守閣が再建されました。2018年には本丸御殿が当時の実測図や戦前の写真に基に、約10年の歳月を経て復元されました。
見どころ
名古屋城内の石垣には、「石垣の刻印」と呼ばれる記号が刻まれた石があります。これは、関ヶ原の戦いより前に徳川家に仕えた大名が、自分の石を他の大名のものと区別するために刻んだ印です。
また、将軍の住まいであった本丸御殿は、30以上の部屋がある大規模な建物で、その中でも特に上洛殿(じょうらくでん)は格式高い場所。
上洛殿は天井に描かれた華やかな天井画が特徴で、かつては国宝に指定されていました。空襲によって焼失後、現在は当時の史料を基に忠実に復元されています。
≪難攻不落の城と言われた理由≫
・広大な敷地に内堀と外堀の二重の堀、戦略的に配置された櫓や門など、当時攻略がほぼ不可能とされるほどだった
熊本城(熊本県熊本市)

豊臣秀吉に仕えて数々の功績を上げた加藤清正は、江戸時代初期に熊本城を築城し城主となりました。
その後城主は細川家に引き継がれ、剣豪・宮本武蔵が晩年を過ごした場所としても知られています。
熊本城が難攻不落を名実ともに証明したのは西郷隆盛率いる薩摩軍VS明治政府の戦いとなった西南戦争。戦闘中に本丸御殿一帯が炎上しましたが、高い石垣などに阻まれた薩摩軍は城内に侵入できなかったといわれています。
2008年、焼け落ちた本丸御殿は再建されましたが、2016年の熊本地震で再び被災しました。2021年には天守閣の復旧が完了したものの、重要文化財に指定されている宇土櫓などは、2032年頃に復旧が予定されています。
見どころ
熊本城には、天守閣をはじめとする櫓や塀など、13の重要文化財が現存しています。
天守閣は地上6階、地下1階建てで、1階は加藤清正時代、2階細川家時代……とフロアごとに分かれています。各階では、模型や映像を通じて現代までの歴史をたどることができます。
熊本城に行ったら絶対に見ておきたいのが石垣。
「武者返し」と呼ばれ、城に侵入を試みても傾斜が急で忍者でさえ登れないといわれています。
≪難攻不落と言われた理由≫
・敵の侵入を防ぐための武者返しや城内に鉄製の刃物などの罠が設置されていた
・実際に西南戦争では熊本城に明治政府軍約3500人が籠城し、薩摩軍13000人の50日間にわたる包囲を耐え抜いた
日本三大山城

その名の通り山に築かれ、軍事施設として活躍したお城のことです。日本三大山城は、岩村城(岐阜県恵那市)、高取城(奈良県高市郡高取町)、備中松山城(岡山県高梁市)。
山城は標高が高いところに城を築くので、平城に比べて敵から攻撃されにくく、敵の数や部隊の配置が見えやすいので戦に有利です。しかし戦国後期になると徐々に平城が主流となります。それは、
- 鎌倉幕府以降戦闘が常態化したことにより、戦が始まると居住地から山城へ移動中に命を落とすことがあった
- 江戸幕府には、百姓一揆以外の戦闘自体が少なくなった
- 農民などの一般人に権威を誇示する為には、山に城を建てても目立たない
主に3つの理由で、平城が主流となったそうです。
岩盤の上に石垣を積み築いた堅固なお城!備中松山城
山頂付近にあり、現存天守を持つ山城としては1番標高の高いところにあるお城です。城の土台となる天然の岩盤を使った石垣はまさに要塞で、標高430mに位置していることから「天空の城」と呼ばれています。
鎌倉時代から戦国時代にかけて戦のための城として使われ、周囲にそびえる岩壁から、「難攻不落の城」と言われていました。しかし安土桃山時代に城主・三村元親(みむらもとちか)は、毛利一族から離反し、対立していた織田信長に寝返ったため、毛利軍8万の兵による兵糧攻めで落城したといわれます。
備中松山城から10km離れた雲海展望台では、秋から春にかけて早朝に雲海が一面に広がり、朝と日中の寒暖差が激しいなどの条件が合えば、雲海に浮かぶ備中松山城を見ることができます。
日本三大平城

平地だけを利用して築かれた城のことです。戦国時代の終わりごろから江戸時代に造られました。日本三大平城は、松本城(長野県松本市)、二条城(京都府京都市)、広島城(広島県広島市)です。メリットは平地に城を建設することで土地を広く使え、領地に多くの兵力を収容できて、お堀や石垣、門などで周囲を守ることができます。デメリットは平地に建てられたので、遠くまで見渡すことができず、敵から攻撃されやすいので守りにくいことです。
城下町と共に繁栄を築いた広島城
河口に囲まれた平城で、戦国武将である毛利元就の孫・毛利輝元(もうりてるもと)が築いたお城です。土地が狭く地盤の弱い三角州の上に築城した理由は、大量の物資を船で運ぶために海上交通が最適だったことと、平地に築城することによって城下町を発展させたかったからと言われています。
現在の天守閣は歴史資料館になっており、天守閣を登ると広島市内を一望できます。 広島城は原爆ドームから徒歩圏内で観光スポットとしてもアクセスが良く、広大な敷地で四季折々の景色が楽しめるのも魅力です。
日本三大水城

敵からの攻撃を防ぐ為、水堀に囲まれているお城のことです。また物資を運ぶのに海運を輸送するのが便利で、逃走経路が確保しやすいなどの利点がありました。
日本三大水城は、今治城(愛媛県今治市)、高松城(香川県高松市)、中津城(大分県中津市)です。
歴史を直に感じる中津城
水門から海水が入ってくるお堀は、潮の干満で水位が上下する珍しい水城です。中津城は、豊臣秀吉の側近として幅広く活躍した黒田官兵衛こと黒田孝高によって築城され、細川忠興(ほそかわただおき)が引き継いで12年かけて完成した城。
中津城の特徴は、九州最古とされる石垣です。黒田時代の石垣が四角に加工された石を使用して頑丈に積み重ねていて、細川時代は、自然の石の形を生かして積まれています。 一目で造りが異なる石垣とわかるので、歴史を感じることができます。
日本三大天空の城

雲海に浮かでみえるお城のことです。日本三大天空の城は、越前大野城(福井県大野市)、竹田城(兵庫県朝来市)、備中松山城(岡山県高梁市)です。季節や気象条件が揃わないと雲海を見ることができないので、滞在して見に行くことがおすすめです。
天空の城として一大ブームを巻き起こした竹田城
標高353.7mの山頂に位置し、「日本のマチュピチュ」や「天空の城」と呼ばれ、人気を集めています。戦国時代以前の山城で、天守などの石垣や縄張(なわばり:お城の敷地)はほぼ完全な形を残している、とても珍しい城跡。
竹田城の城主・赤松広秀は、鳥取城攻めの際に城下町を放火した罪で徳川家康の命令により自害し、城主を失った竹田城は江戸時代に廃城になりました。
現在は、雲海スポットとしても人気で、霧の中に浮かんだ城跡はまさに天空の城のようです。霧が立ち込める時間帯である早朝には、歴史ファン以外にも多くの観光客を惹き付けています。
日本三大夜城

江戸時代から天守と御殿が現存している高知城
「幸運の城」とも呼ばれる高知城。その理由は、1748年に再建以降火災や震災、明治維新や太平洋戦争など何度も危機を乗り越え、創建当時の姿を現在に残しています。天守閣・追手門以下15棟の建造物が国の重要文化財に指定されています。
高知城の魅力は、お城を綺麗に映す夜のライトアップですが、それ以外にも四季を通じた積極的な夜間イベントを実施していることも選定理由の一つ。
春は桜のライトアップ、夏には風鈴とカラーキャンドルのコラボレーション、秋はろうそくの灯り、冬は本丸や二ノ丸で様々なイルミネーションを実施しています。
日本の名城を巡ろう!
いかがでしたか?
遠い昔の武将達が刻んだ歴史を肌に感じるのが名城巡りの魅力ですね。訪れた際は、お城の建築の美しさや壮大なたたずまいにきっと圧倒されることでしょう。
次の日帰り旅行や泊まりの旅行に計画を立ててみるのはいかがでしょう?
この記事を書いた人

みねちー
みねちー
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